スケーラーをプローブに持ち替える!?歯科衛生士が評価される自由診療メニュー
近年、美容に関心を持つ人が増え、歯科においても審美歯科のニーズがアップしてきています。そのニーズの高まりに合わせて、専門分野に特化した歯科医院も増え、差別化を図るひとつのツールとして「デンタルエステ」が注目されています。エステティックサロンや美容外科などでも取り扱われるデンタルエステは、歯科医院では自由診療メニューの一種です。範囲は歯科医院によって異なり、自由診療のため料金もさまざまですが、口まわりの美容という点では共通しています。
今注目されているデンタルエステは、歯科衛生士が中心となって行われるケースがほとんどです。歯科衛生士は、もともとは口腔衛生を専門とする職業で、予防歯科処置などをメインに行うことから「予防のプロ」ともいわれています。
歯科医院で行われるデンタルエステは、歯科疾患の治療後、医師から歯科衛生士にバトンタッチされ、口元の美容が行われます。ただ、歯科衛生士は医師ではないため医療行為はできません。したがって、歯科医院では歯科衛生士が扱える安全性の高い美容機器を取り入れ、患者が安心して受けられるよう配慮するところが多いです。
安全性が高く、安心感も得られやすい美容機器の代表格が、エレクトロポレーションです。エレクトロポレーションは、遺伝子組織や抗がん剤投与への応用も期待されている最先端技術を搭載した美容機器です。電気パルスによってヒアルロン酸やコラーゲンなどの美容成分を肌の奥へ届ける施術のため、注射針などで肌を傷つける心配がありません。痛みもなく恐怖心を感じる必要がないのも特徴です。人によっては、電気パルスの振動が心地よいと感じることもあります。
しかも、施術に必要な時間が10分程度です。歯科疾患の治療後、スピーディーに美容が行え、時間がかかり過ぎる心配がないため、なにかの治療のついでに行うことも可能です。また、デンタルエステやエレクトロポレーションをきっかけに「どれくらいの頻度で受けるのがいい?」「エレクトロポレーションってなに?」などの気軽な会話ができるようになります。この気軽な会話によって円滑なコミュニケーションにつながり、患者は歯の黄ばみや掃除などの興味がある自由診療についても気軽に歯科衛生士に相談するようになり、ほかの診療につながっているケースも多いです。
また、デンタルエステに高い効果が期待できるエレクトロポレーションを採用することで、短時間でも高い効果が得られ、実際にトライした患者の満足感も高くなります。この効果の高さや満足感は、施術をしてくれている歯科衛生士の評価につながることがあります。歯科衛生士の評価は歯科医院のイメージアップにも貢献することから、デンタルエステが自由診療全体の収入アップに欠かせない存在となっていくと予想されています。