なぜデンタルエステが流行るのか。患者から求められる歯科ニーズ
デンタルエステとは、口元全般のエステのことです。言葉だけを聞くと、歯を白くするホワイトニングや、歯並びやかみ合わせをよくする矯正歯科などをイメージする患者が少なくありません。しかし、歯科医院におけるデンタルエステは、一般的なエステでできるほうれい線やシワのケアという歯よりも口元の美容的な意味合いで使われるケースが多くなっています。
ただ、「ほうれい線やシワなどの改善なら歯科医院でなくエステサロンや美容外科に行けばよいのでは?」と思う患者もおられます。確かに、ほうれい線やシワなどに対して、エステサロンと同じ施術をするだけであれば、あえて歯科医院でデンタルエステを行う必要はないでしょう。
しかし、歯科医院のデンタルエステをあえて選んでくる患者は、“歯科医院だからこそ”の施術やメリットから判断しています。それが患者から求められている歯科ニーズであり、デンタルエステが流行っている理由だからです。
若い世代であれば、エステに対しての抵抗があまりありませんが、年齢を重ねるほど、人の目や気恥ずかしさを感じやすく、ほうれい線やシワが気になってもエステに抵抗があって通いづらいと思う人が多くなります。つまり、アンチエイジングケアに興味があってもエステに行けないという状況に陥る可能性があるのです。
さらに、インプラント治療後や抜糸後に、口元に寄ってしまうシワが目立ってくるケースもあります。そういった患者へ「美容はエステへ行って、うちは歯だけだから」と言う考えはいかがなものでしょう。
こういった「苦手」「恥ずかしい」「どうしよう」といった患者へ歯科医院のデンタルエステが適しています。歯科医院は「歯の治療をするところ」というイメージが根強いため、実際に、気になるほうれい線やシワの解消のためにデンタルエステを受けに行っていたとしても、エステしていることがバレにくいためです。したがって、周囲の目が気になる人や恥ずかしさを感じやすい人は、歯科医院の世間のイメージを利用することで格段に通いやすくなるため、歯科医院ならではのニーズがあるといえます。
抜糸後のシワ等も、歯科医院で一カ所で治療も美容も叶うため、患者にとってはこの上ないサービスの向上になりまうs。
また、歯科医院でのデンタルエステは、歯石取り等の定期的なメンテナンスのついでにできるということも魅力です。エステサロンなどで受けるほうれい線やシワの改善よりも手頃な価格なケースが多く、気軽にトライしやすいのもポイントです。しかも、歯の健康と美しさだけでなく、口元の美容も一緒にできるというところも評価されています。
ほうれい線やシワなどのエステは、もう美容業界に限られた施術ではありません。口元のプロである歯科医院で歯も口元も美しくなれるという認識が患者の中で広まりつつあり、歯科医院でのデンタルエステが一般化する日も遠くないからです。しかし、実際にデンタルエステをとり入れている歯科医院はまだまだ少ないのが現状です。この機会にデンタルエステを自由診療メニューに加え、患者のニーズに応えながら収益につなげましょう。