【原著論文掲載】インターナショナル ジャーナル オブ コスメティック サイエンス(International Journal of Cosmetic Science)

原著論文掲載「International Journal of Cosmetic Science」

サラヴィオ中央研究所のミトコンドリア研究の成果が、国際科学雑誌「International Journal of Cosmetic Science」に掲載されました。
今回、世界で初めて、毛乳頭細胞におけるエネルギー産生の調節機構を見出したことに、ノーベル賞受賞者の一人であるジョン・E・ウォーカー博士も、ミトコンドリア研究が発展していることを大変喜んでくれました。

ノーベル化学賞受賞者 ジョン・E・ウォーカー博士
ノーベル化学賞受賞者 ジョン・E・ウォーカー博士(写真中)
国際学会 International Symposium on Mitochondria 2013にて、ウォーカー博士も「たいへん興味深く、素晴らしい応用研究ですね」と評価。ミトコンドリアの新規調節機構を解明した御筆主任研究員(右)と加世田所長(左)。

ジョン・アーネスト・ウォーカー(John Ernest Walker)プロフィール
イギリス人の科学者。ミトコンドリアに存在するATP合成酵素の構造を解明。1997年にノーベル化学賞受賞。分子生物学への多大な貢献により、1999年にナイトの称号、2012年には、科学業績に対して贈られる最も歴史の古い「コプリ・メダル」を受賞。現在、MRC分子生物学研究所(英国ケンブリッジにある国立研究所)で活躍中。

論文タイトル「PDGF-AA-induced filamentous mitochondria benefit dermal papilla cells in cellular migration」

育髪研究においては、最優秀賞を受賞した第7回世界毛髪研究会議、第8回世界毛髪研究会議、ミトコンドリア国際学会等で学術発表を積み重ねてきましたが、今回新たに、発毛エネルギーの調節機構を解明した原著論文が非常に厳しい審査を経て国際的な科学専門誌に掲載され、もう一つの金字塔を打ち立てることができました。
弊社の育毛研究、また「加水分解酵母」の働きが科学史に刻まれたことで、学術的評価と科学的根拠を併せ持った研究開発に拍車がかかっております。

掲載内容の解説

温泉酵母・温泉酵素による効果はミトコンドリアの活性化機構に基づいています

ミトコンドリアが活性化されて多くのエネルギーを作り出すと、様々な細胞機能が向上します。

活性化された線維型ミトコンドリアは、より多くのATPを産生します。 その結果、細胞増殖因子や成長ホルモンの分泌が促されて、細胞分裂やスキンターンオーバーが促進されます。 「皮膚の再生力」「毛髪の成長力」の根底にあるのは、ミトコンドリアによるエネルギー産生なのです。

毛髪への作用

  • 発毛因子(FGF-10など)が増加
  • 脱毛因子(TGF-βなど)が減少
  • 発毛シグナルに関わるマイクロセンサーが活性化
  • 毛母細胞の分裂が促進

皮膚への作用

  • 増加した細胞増殖因子がヒアルロン酸コラーゲンを産生する線維芽細胞に働きかける
  • 皮膚の再生スキンターンオーバーが促進
ミトコンドリアによるエネルギー産生
円形型ミトコンドリア、繊維型ミトコンドリア

【動画】皮膚の再生力や発毛エネルギーを効率よく作り出す繊維型ミトコンドリア

ミトコンドリアについて

ミトコンドリアは、1897年(明治30年)、ドイツの医師であるカール・ベンダ氏が発見しました。その名前の由来は、ギリシャ語で「糸」を意味するミトと「粒」を意味する「コンドリア」の合成語です。100年以上前に発見された当時から、ミトコンドリアには糸状のものや粒状のものがあることが分かっていたにもかかわらず、最近まで、その制御機構や生理的意義は未解決のままでした。
私たちの体の中には、約1京個(1兆の1万倍)のミトコンドリアが存在します。なんと、体重の10%に相当します。ミトコンドリアはエネルギー産生という細胞の「生」だけでなく、アポトーシス、つまり、細胞の「死」にも関わる極めて重要な細胞小器官です。最近では、癌転移やパーキンソン病の発症にも関わることも分かってきています。これまでミトコンドリアに関する研究で、10名以上のノーベル賞受賞者が出ていることは極めて異例で、どれほど重要な分野かを物語っています。

研究室からのメッセージ

ミトコンドリアの研究は医学の発展の上で極めて重要で、世界で最もホットなものの一つです。まだまだ謎めいたところが多く困難も伴いますが、その分やりがいもあります。
今回の発見は、毛髪研究の分野でブレークスルーとなりましたが、今後、更に発展させて行きたいと思っています。
良い仕事をすると、学会などで多くの人が興味を持ってくれます。ジョン・ウォーカー博士もその一人です。ウォーカー博士がノーベル賞を受賞されたのは1997年の事ですが、ウォーカー博士が提唱したモデルを証明したのは、日本の生物物理学者たちでした。当時大学院生で、同じ分野で研究を行っていた私は、学会でミトコンドリアのATP合成酵素がクルクル回っている様子を見て興奮しました。これら日本の研究者らは世界中で脚光を浴びましたが、ノーベル賞はもらえず残念に思いました。当時を懐かしみ、ウォーカー博士と話を弾ませました。現在、ミトコンドリア機能の新規理論・モデルの提唱だけでなく、応用研究も進めていることも話すと、とても喜んでもらいました。
当社の商品(M-1シリーズ、ボーテシリーズ、RG92シリーズ)には、ミトコンドリアを活性化させるオリジナル原料を配合しています。肌や頭皮の改善に伴い、目に見えない細胞内の世界ではミトコンドリアが活性化されて、多くのエネルギーが作りだされていることをお楽しみ頂けると幸いです。

平成27年6月9日
サラヴィオ中央研究所 所長 加世田 国与士

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