『健康長寿社会の実現』にむけて新たな一歩を

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター+サラビオ温泉微生物研究所

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターとSARABiO温泉微生物研究所は、『温泉藻類由来成分による炎症抑制と老化制御』に関して、2022年より共同研究を実施。2024年1月に開催された「第22回ファンクショナルフード(機能性食品)学会」においてRG92についての研究成果を発表しました。

慢性炎症の制御に向けたRG92の抗炎症効果の検証

本研究の概要

RG92はこれまでの研究から細胞試験による抗糖化・抗酸化作用をはじめ、ヒト試験によるインスリン抵抗性の改善が確認されてきた。これらの効果は炎症抑制を伴ったメカニズムによるもの考え、RG92が老化にともなう慢性炎症の制御にどう関連するか、さらに機能性食品への応用を目指した抗炎症作用とそのメカニズムの解明に取り組む。

研究内容

1.細胞試験(急性炎症抑制効果の再確認)

RG92で前処理した細胞にインターロイキン(IL1β)やリポポリサッカロイド(LPS)で急性炎症を起こした際の、炎症性サイトカインの遺伝子発現レベルを定量PCRで測定し、RG92の急性炎症抑制効果を評価した。

2.老化に伴い発現が増加する炎症関連遺伝子の探査

老化に伴う慢性炎症におけるRG92の効果を検証する際のマーカーとなる遺伝子を見つけるために、マウス胎児線維芽細胞(MEF)において、老化に伴い発現が増加する炎症関連遺伝子を探索した。

結果

1.細胞試験

IL1βの刺激によってヒト線維芽細胞での急性炎症を起こしたところ、RG92で前処理したことにより、炎症性サイトカイン(IL1βやTNFαなど)の遺伝子発現が濃度依存的に抑制された。

今後の研究

RG92による急性炎症抑制の作用機序・作用成分の同定、細胞老化に伴い発現増加する炎症関連遺伝子の網羅的探索及びこれらの遺伝子発現におけるRG92の効果の検証、老化モデルマウスでの慢性炎症抑制作用の検証

温泉藻類(Mucidosphaerium sp.RG92)の顕微鏡写真

RG92の抗炎症作用によるインスリン抵抗性の改善と
抗メタボ効果、血圧の低下を確認

久留米大学・順天堂大学・昭和大学+サラビオ温泉微生物研究所

久留米大学の山岸教授はじめ各大学医学部との共同研究において、温泉藻類RG92を使ったインスリン抵抗性への共同研究を行いました。RG92を摂取したラットでは、終末糖化産物(AGE)の蓄積が抑制され、炎症や酸化ストレスも抑えられました。論文は生物科学分野の世界的権威とされるPharmacological Researchに掲載。

RG92が、生活習慣病の予防・改善に可能性

サラビオ温泉微生物研究所+株式会社SOUKEN

サラビオ温泉微生物研究所と株式会社SOUKENは、 RG92を使用することで、ヒトにおいてインスリン抵抗性が改善されるかを検証するために、過体重(肥満ぎみ)の被験者を募ってヒト介在試験を実施。その結果RG92の摂取は被験者のインスリン抵抗性をはじめとする生活習慣病に関する主要項目を改善、腹囲長の減少に関与する可能性が実証されました。